小1の壁でキャリアを諦めない働き方の選択肢と会社への相談タイミング
- 小1の壁は保育園と学童の開所時間差が主因で、目安として夕方1〜2時間ほど短くなる傾向があると僕は考えています。
- 会社への相談は入学前6か月が目安で、早期に相談した人ほど時短延長や在宅勤務など選べる働き方が増える印象です。
- 学童は公立・民間・ファミリーサポートで料金と長期休暇対応が大きく異なり、比較検討が欠かせないと僕は考えています。
「保育園のときは延長保育をお願いすれば19時まで見てもらえたのに、小学校に上がったら学童が18時で終わると聞いて、正直パニックになりました」——これは先月、僕が面談でお聞きした33歳・メーカー勤務のCさん(仮名)の言葉です。
結論から言うと、僕は小1の壁を「制度が急に厳しくなる壁」ではなく、「情報を早めに集めていた人だけが選択肢を持てる壁」だと考えています。壁にぶつかってから慌てて動く人と、半年前から情報を集めて動いていた人では、選べる働き方の数がまるで違う、というのが僕の面談現場での体感値です。今日は、保育園から小学校に上がる際に実際に何が変わるのか、そしてキャリアを諦めないためにどう準備しておくべきかを、実務目線で整理していきます。
1. 小1の壁とは何か——保育園と学童の「時間の差」を正確に知る
「小1の壁」という言葉だけが先に広まっていて、実際に何が壁になるのかを正確に説明できる方は意外と少ない、というのが僕の印象です。一番大きいのは開所時間の差だと考えています。保育園では延長保育を使えば19時〜20時ごろまで預けられる園が多い一方、学童保育(放課後児童クラブ)は自治体や施設によって差はありますが、17時〜18時ごろに閉まるところが目安として多い、というのが僕が面談で聞く現場の声です。こども家庭庄(旧厚生労働省)が毎年公表している放課後児童クラブに関する実施状況の調査でも、開所時間の短さが保護者側の課題として挙げられている、という傾向は継続して指摘されています。つまり同じフルタイム勤務を続けていても、夕方の1〜2時間程度、誰が子どもを迎えに行くのかという新しい調整が発生するわけです。もう一つの壁は長期休暇です。保育園には夏休みがありませんが、小学校には夏休み・冬休み・春休みがあり、学童によっては開所時間が短縮される、あるいは毎日お弁当を用意しなければならない、といった負担が発生します。この「時間の壁」と「長期休暇の壁」を分けて捉えることが、対策を考える最初の一歩になると僕は思っています。
2. 学童保育の実態——公立・民間・自治体差を数字で見る
学童保育と一口に言っても、実態はかなり幅があります。僕が面談でお聞きする範囲でも、公立の学童は料金が安い一方で開所時間が短く、民間の学童(学習塾や英会話などと一体化した施設)は開所時間が長く19時や20時まで対応しているところもありますが、料金は公立の数倍になることが多い、というのが体感値としての傾向です。以下は、あくまで独自ガイドの目安値としての比較ですので、実際の制度は自治体や施設によって大きく異なる前提でご覧ください。
| 区分 | 開所時間目安 | 料金目安(月) | 長期休暇対応 |
|---|---|---|---|
| 公立学童 | 平日17〜18時ごろまで | 数千円〜1万円台 | 開所するが短縮運営になりやすい |
| 民間学童(学習塾併設型など) | 19〜20時ごろまで対応する施設もある | 3万〜5万円台になることもある | 長期休暇も通常運営に近いところが多い |
| ファミリーサポート・シッター併用 | 依頼内容に応じて柔軟 | 時間単価制で利用量に応じて変動 | 学童の閉所後の橋渡しに使われることが多い |
ここで僕が強調したいのは、「学童に入れるかどうか」と「学童の時間が自分の勤務時間と合うかどうか」は別の問題だという点です。地域によっては学童の空き待ちが発生している自治体もありますので、まずはお住まいの自治体の学童の開所時間・料金・空き状況を早めに確認しておくことを僕はおすすめしています。
3. 会社に相談するタイミング——「壁に当たる前」の3つの合図
会社への相談は、壁にぶつかってから駆け込むのと、事前に相談しておくのとでは、対応してもらえる幅がまったく違う、というのが僕の面談現場での実感です。僕が目安として皆さまにお伝えしているのは、次の3つの合図です。
- 合図1:子どもの就学時健診の通知が来たタイミング(入学の半年〜4か月前が目安)
- 合図2:自治体の学童申込みの案内が来たタイミング(自治体差はありますが、入学前の秋〜冬が目安)
- 合図3:保育園から「来年度の継続利用ができない」ことを案内されたタイミング
この3つのどこかで、会社の上司や人事に「来年、小学校入学に伴って勤務時間の相談をしたい」という一報を入れておくだけでも、会社側の心の準備がまったく変わってくる、と僕は考えています。実際、僕が面談したDさん(仮名・営業職)は、就学時健診の通知が来た時点で上司に一言伝えておいたことで、入学後の時短勤務の延長がスムーズに承認された、という事例をお聞きしました。逆に、4月の入学直前になって初めて相談したEさん(仮名)は、部署内の調整が追いつかず、結果的に一時的に業務量を減らしてもらう形での対応になった、というケースもありました。もちろんこれは僕が面談で聞いた個別の事例であり、会社の規模や制度によって結果は変わりますので、あくまで一つの参考としてご覧ください。
4. 働き方の選択肢を並べる——4つのパターンとその向き不向き
小1の壁への対策は、実は一つではありません。僕が面談現場で聞く範囲では、大きく4つのパターンに分かれると考えています。
- 時短勤務の継続・延長:会社の制度で時短勤務を小学3年生や小学6年生まで延長できる場合があります。会社ごとの制度差が大きいため、まずは自社の育児短時間勤務の適用範囲を確認するのが先だと僕は考えています。
- フレックスタイム・時差勤務への切り替え:学童の閉所時間に合わせて始業・終業時間をずらす方法です。夕方の迎えに間に合わせるために始業を早めに設定する、という調整をしている方を僕は何人も見てきました。
- リモートワークの活用:特に長期休暇中に、在宅勤務を組み合わせて子どもの様子を見ながら働く、という選択をする方も増えている印象です。
- 転職・部署異動という選択:どうしても現職の働き方と合わない場合、時間の融通が利きやすい職種・企業への転職を検討する方もいます。ただし僕の体感では、これは最後の選択肢として考えるべきで、まずは今の会社でできる調整を先に検討することをおすすめしています。
どのパターンが向いているかは、会社の制度、家庭のサポート体制、そしてお子さん自身の性格によっても変わってきますので、一つに絞る前に複数の選択肢を並べて比較しておくことが大切だと僕は考えています。
5. パートナーと家族の巻き込み方——交渉の順番を間違えない
小1の壁の対策を考えるとき、会社との相談の前に、実はパートナーや家族との話し合いが先だと僕は考えています。というのも、会社に「時短を延長したい」「フレックスを使いたい」と相談する際、その根拠になるのが「家庭内でどう分担するか」だからです。僕が面談で聞く失敗パターンの一つが、パートナーとの分担を決めずに、なんとなく「自分が調整すればいい」と一人で抱え込んでしまうケースです。これは決して珍しいことではなく、僕の体感値でも、面談にいらっしゃる方の多くが最初は「自分が我慢すれば済む話」だと考えている印象があります。しかし、迎えの時間、長期休暇中の対応、学童の送迎の分担など、具体的なタスクを紙に書き出して、パートナーと一緒に「誰がいつ何を担うか」を決めておくと、会社への相談内容もぐっと具体的になります。身近な例で言うと、これはリレーのバトンパスに似ていると僕は思っています。バトンをどこで渡すかを決めていないチームは、いくら個々の走力が高くても記録が伸びません。家庭内の役割分担も同じで、「誰がどこを走るか」を先に決めておくことが、結果的にキャリアを守ることにつながる、というのが僕の考えです。
6. 今日からできる実務チェックリスト——入学前6か月のタイムライン
ここまでの内容を、実際に動くための時系列に整理してみます。以下は僕が面談で皆さまにお伝えしている目安のタイムラインですので、自治体や会社の制度に応じて前後する前提でご覧ください。
| 時期目安 | やること |
|---|---|
| 入学前6か月ごろ | 自治体の学童保育の開所時間・料金・空き状況を確認する |
| 入学前5〜4か月ごろ | パートナーと家庭内の役割分担を話し合い、紙に書き出す |
| 入学前4〜3か月ごろ | 会社の上司・人事に来年度の働き方について一報を入れる |
| 入学前2か月ごろ | 時短勤務の延長・フレックス・リモート等、会社に使える制度を確認し申請する |
| 入学前1か月ごろ | 学童・ファミリーサポート・シッター等、複数の預け先の候補を確保しておく |
| 入学後1〜2か月 | 実際の生活リズムを試しながら、必要に応じて働き方を微調整する |
このタイムラインの中で僕が特に重要だと考えているのは、「入学前4〜3か月ごろ」の会社への一報です。ここで相談しておくかどうかで、会社側が用意できる選択肢の幅が大きく変わってくる、というのが僕の面談現場での実感です。逆に言えば、入学直前になって初めて相談するのは、僕が面談で聞く限り、選択肢が限られてしまう傾向にあると感じています。
0.(結論)壁の前に選択肢を並べておく人が強い
皆さまいかがでしたでしょうか。小1の壁は、保育園から小学校に上がる際に誰にでも訪れる制度の変化ですが、壁そのものをなくすことはできません。ただ、僕が面談現場で見てきた限り、壁にぶつかってから動く人と、半年前から情報を集めて選択肢を並べていた人では、その後のキャリアの選び方に明確な差が出る、というのが僕の体感値です。時短勤務の延長、フレックス、リモート、そして必要であれば転職という選択肢まで、早めに情報を集めておくことで、いざというときに「選べる」状態を作っておくことができます。これは決して煽るつもりで言っているわけではなく、僕が面談でお会いしてきた方々の実例をもとにした、一つの傾向としてお伝えしたい内容です。では今日もがんばりましょう。
よくある質問
Q. 小1の壁はいつから対策を始めればいいですか?
結論としては、入学前6か月ごろを目安に動き始めるのがおすすめです。就学時健診の通知や学童の申込み案内が来るタイミングと重なることが多く、このあたりで自治体の学童情報を確認し、会社にも一報を入れておくと、会社側が用意できる選択肢の幅が変わってくる、というのが僕の面談現場での実感です。壁に当たってから動くより、半年前から情報を集めておく方が、結果的に選べる働き方の数が多くなる傾向があります。
Q. 学童に入れなかった場合、仕事はどうすればいいですか?
学童以外にも、民間学童やファミリーサポート、シッターとの併用など複数の預け先を並行して検討する方が多い印象です。同時に、会社にフレックスタイムやリモートワークの活用を相談し、迎えの時間や長期休暇中の対応を調整する方法もあります。一つの手段に絞らず、預け先と働き方の両方を並べて比較しておくことが、僕は現実的な対策になると考えています。
Q. 時短勤務を小学校入学後も延長してもらうことは可能ですか?
会社の育児短時間勤務制度によって、小学3年生や小学6年生まで延長できる場合があります。ただし会社ごとに適用範囲の差が大きいため、まずは自社の制度を確認することが先だと僕は考えています。就学時健診の通知が来たタイミングなど、入学前に早めに相談しておくと、延長の承認がスムーズに進みやすいという事例を僕は面談でお聞きしています。
IT人材業界20年、ギークリー創業を経て現職。個人として通算4,200名のキャリア面談を実施してきた経験に基づき監修しています。本文中の年収・難易度等は独自ガイドの目安値であり、個人の経験・企業により変動します。